May 24, 2021


何が気に入ったのか

家の東壁を執拗に突くアオゲラがいた

たびたびやってきては穴を増やす

薄い板壁の穿ち具合や そこから伝う自分の音が

心地よかったのだろうか

とは言えその間絶えず

けたたましいドラミングは家中に鳴り響き

私たちを辟易させた





カカカカカ ココココココ

春の乾いた林の中から不思議な音が聞こえてきた

誰かいる 木を叩いてる

思わず耳をそばだて目をこらす

コココココ

ヒトじゃない...

背筋にひやりとしたものが下りる

知識の浅い私は遅れて ああキツツキ と気づくのだが

あまりに作為的で不可解なその音に

キツネにつままれたような思いがした

(その後アオバトやアオバズクの声にも同様の反応をする)



今も私の耳の奥で 孤独な木霊が啼いている