ウロとムロの話
wind keeper
風車守のきょうだいがいた
しめったのっぱらのまんなかよりもすこし森にちかいところに
いっぽんの木みたいにたつこやに
かっぱつなウロが 羽根車をうごかし
ものしずかなムロが 歯車のていれをする やくめ
ふたりには ほかにはみえない
風がのこした足あと フーモンがみえた
のっぱらを たびたびあらすフーモンをかきかえて
川下の森にくらすかあさんをまもるため
むかし 旅にでたままかえってこないとうさんに
じぶんたちがつくった うつくしいフーモンをみせるため
ふたりは きょうも 風をみている
kazemori press