カゼノタテガミ
ビロードみたいに すべらかな毛並み
頭がどこか
尾はあるか
群れか 巨大なひとつか
なにも知らない
山奥から次々に降りてきて
服をくすぐったく膨らまし
背中をぐんと押すから
あっという間にスクールバス停だ
帰り道にはもういない
なんとも気持ちいい 2キロの道連れは
台風一過の朝に かならずあえる
みえなくたって
そこには いた
奇妙で 近しい
ふるい ふるい
いきものたちのこと
kazemori press