May 21, 2025

 カゼノタテガミ


ビロードみたいに すべらかな毛並み

頭がどこか

尾はあるか

群れか 巨大なひとつか

なにも知らない


山奥から次々に降りてきて

服をくすぐったく膨らまし

背中をぐんと押すから

あっという間にスクールバス停だ

帰り道にはもういない


なんとも気持ちいい 2キロの道連れは

台風一過の朝に かならずあえる



みえなくたって

そこには いた

奇妙で 近しい

ふるい ふるい

いきものたちのこと


kazemori press