ひと筋の糸帆を引いて 微風に身をまかせ
古巣を後にする蜘蛛の引っ越しを見送る
温い湿気を肌着がわりに纏い
空の最初のひと滴を待つ
潔いのかだらしがないのか
放ったものを拾いに行き
積んでは崩し
行き止まりを忘れたんだろうな
脇道ばかり通るから
美味しい道草にはありつけているようだから