Dec 20, 2021
Dec 13, 2021
数年前の初夏
実家の庭の 朽ちかけたモミの木に
次から次へとリスが群がっているのを見た
かつて 年に一度 庭から掘り起こされては
飾りをぶらさげ 星をのせ
薪ストーブの傍らで 一家のクリスマスを彩どり
それ以外 庭の片隅でひっそりと次の冬を待っていた
子供たちと同じように 年々大きく育ち
鉢へ庭への引っ越しも 一苦労どころではなくなり
しまいには量産されたポリエチレンのツリーに
持ち場を取って代わられ
しっかりと根を張る自由を得た
それでも毎年 クリスマスが近づくと
梯子をかけられ
うんと伸ばした手で星飾りだけをのせられたりもした
雪に埋もれた庭で 窓の中からときおり注ぐ
一家の視線も感じていた
常緑の枝葉は 赤茶けて枝垂れ
立ち枯れゆく彼の 最後の仕事が
何だったのかは わからない
リスたちの目的も
幹だけになった今も
トーテムポールよろしく
根を下ろしたその場所で
ただ静かに屹立している
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